2015年10月30日金曜日

ヒメゴト~十九歳の制服~|偽りの自分の中で見つける本当の自分

峰浪りょうの甘酸っぱさからは程遠い、一九歳の大学生である男女三人の人には言えない関係を描いたコミック「ヒメゴト~十九歳の制服~

主人公のひとりである「櫟原由樹・いちはらゆき」は男の子に見える外見と言動のせいで、周りからは同一性障害と思われがちですが、本来は女の子らしくする機会を逃した女の子。

もうひとりの主人公の女の子「永尾未果子・ながおみかこ」は清純そうなお嬢様タイプ。

しかしその裏では、男を軽蔑しながらも売春で生計を立てています。

三人目の主人公は男の子「相葉佳人・あいばかいと」

中世的な顔立ちですが、普段は男子学生として生活していますが、好みの女の子と同じ容姿になりたいという願望があり、女装するも自分の本来の性は中立だと認識しています。

ここ最近だけの話ではありませんが、本作では、これまでもコミックなどでもテーマとして取り上げられることもあった「第3の性」や、異性装、複雑な家庭環境やそのキャラクターが置かれている状況などが大きく生き方に影響を及ぼしている姿を、一九歳の三人の男女の人生を通して描かれています。

時には共感できる部分もあるものの、それまでの選択の中でなぜ別の選択をしてこなかったのかとか、どうしてそう考えるのかと主人公である三人に語りたくなる場面に出会うこともあるかもしれませんが、彼らは彼らなりに本来の自分のあるべき姿と向き合っていくことになります。

それが成長と呼べるものになるかどうかは読者の方々の判断にお任せした方がよいかもしれません。

ヒメゴト全巻ネタバレ

2015年10月25日日曜日

ドクムシ|エンディングまで目が離せない話題作!

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漫画「ドクムシ」は、古代中国発祥の虫を使った呪術「蠱毒」をモチーフに書かれた、小説「コドク~蠱毒~」が原作です。

害虫をひとつの壷の中に入れ食い合いをさせ、その中で最後に生き残った一匹が最強の呪いの力を持つ虫と考えられている蠱毒。

本来ならば虫で行う呪術を「ドクムシ」においては、人間で行うことで非常に残酷で非道なストーリーに仕上がっています。

ある日、気を失っている間に密閉された学校に集められた7人。

彼らにそれまでの面識はありません。

私物を奪われ、外との連絡手段も絶たれた状況で、何の目的でそこに閉じ込められたのか。

その中に、この状況を作った人間がいるかもしれないと疑いながらも、それを解明する手立てもなく手を拱く7人ですが、時間が経つにつれて少しずつ人間としてあるべき姿が壊れていきます。

もともと、性格的にもかみ合わない性質の持ち主7人であることは、物語の序盤で明確にされるので彼らの中にはハナから協力して現状を突破することはありません。

そして、彼らが口にできる水以外の食料はそこには見当たらず、空腹と猜疑心、欲求などが交錯し状況はどんどん悪化していきます。

それらの描写は時にエロティック、そして目を覆う程残酷です。

エンディングまで読破するのが精神的にキツいと感じる読者もいらっしゃるかもしれません。

最後はどうにか救われて欲しいという希望を持たずにはいられないストーリーラインですが、その感じ方は人それぞれ。

瞬きを忘れて、最後まで読みふけって欲しい作品です。

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2015年10月20日火曜日

ちいさいひと|児童虐待現場が痛々しく描かれた衝撃作

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他人には介入するのがなかなか難しい、家庭の中で起こるネグレクトといった問題をテーマに描かれた、夾竹桃 ジン作の「ちいさいひと青葉児童相談所物語」

虐待のある、もしくは疑いのある家庭に住む子供に救いの手をさしのべるため奮闘する新人児童福祉士、相川健太が主人公。

配属先の児童福祉課で意欲に燃える健太ですが、実は彼自身も幼い頃に虐待を受けた経験のある「サイバイバー」でした。

子供は自分の親を無条件に信頼し、愛情を求めます。

自分の親から与えられるもの全てに疑うことを知らず生きていきます。

本作で登場する虐待を受けた子供達の姿は物語として描かれていますが、時には読者の心に深く突き刺さり、色々な立場の人に社会の一員として何ができるのか、時として考えさせられます。

家庭で子供を育てるということは、親としての責任とし理解している方が殆どでしょうが、時に感情的になり子供を怒鳴りつけたり、命令をしたり本当はこんなことを言うつもりじゃなかったと後悔する子供を育てている親ならば、誰でも大なり小なり経験することもあるでしょう。

感情的になり、それを子供に向けることで彼らの気持ちがどれ程傷付くのか量り知ることは本当に難しいことです。

しかし、それが度を過ぎた教育という名の虐待になっていることに当事者は気付かなかったりするものです。

本作を通して、助け出された子供達は最悪の事態を免れて良かったと感じられますが、それで根本的問題が解決されたわけではないのが読者の胸を抉る、涙なくしては読めない作品です。

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2015年10月9日金曜日

情熱のアレ|夜が合わない彼氏との行く末は?

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彼氏との同棲期間3年、その間の2年はセックスレスで悩む「情熱のアレ」の主人公の真紀。

毎日一緒のベッドで寝る二人ですが、彼氏はセックスに興味無し。

女性から攻められることを嫌い、いやらしさを求めることもない彼氏と一緒に居ることで、自分の女性としての部分にどんどん自信を失っていく真紀は、現状を打開しようとしますが上手くいきません。

正直いって、そこまで彼女とのセックスを嫌がるのであれば、付き合ったり、ましてや同棲なんてやらなきゃいいのにと感じるほど。

一緒のベッドで寝るだけで幸せなんて、昔の少女漫画のヒロインのような考え方で、相手も満足して欲しいなんて押し付けがましい思考回路にイライラする読者もいらっしゃるかもしれません。

男女が一緒に住む場合、価値観や考え方が別の人間が同じ空間をシェアすることになるのですから、小さいことでも衝突があったりするでしょう。

ましてや、一方的な自分の考えの押し付けを相手にだけ求め、相手がそれを受け入れてくれることで素晴らしい相手だと思い込むと、きっとその先は長く続かないでしょう。

本作では、彼氏との同棲生活ではなく、真紀の成長に重きを置いているので、彼氏の存在がなくてはならないものではなかったのですが、彼女にとってはその先の人生を考える上でも必要な経験となっていきます。

自分の持っていた固定観念や、彼氏から開放されていく姿はとてもスッとします。

時には失敗したり、悩んでも後悔しない生き方って素敵だなと思わせてくれるストーリーです。

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