orange(オレンジ)【スマホ漫画】
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「orange」は、主人公菜穂(なほ)の元に未来の自分から手紙が届く、というスタートをしています。
最初イタズラかと思った手紙には、これから先どういうことが起こるのか、そのときどうしてほしいのか、が未来の自分によって書かれていました。
26歳の菜穂には、16歳の自分のとった行動に後悔が多々あり、その後悔を自分の手で消して欲しいと手紙を書いたのです。
しかし10年前の自分が出来なかったこと、は、どうにかしてほしいと言われてもやはり自分には難しいもの。
菜穂は臆病で引っ込み思案な少女です。
そんな彼女が、こうしないと後悔しないことになるよ!と言われても、その通りにするのにどれ程の勇気を振り絞っているか…
私も比較的楽な道に逃げるタイプなので、彼女の葛藤からの決断のシーンには、いつも胸がぎゅうっと痛くなってしまいます。
手紙に書かれている後悔というのは、全て友人・翔(かける)に繋がるものでした。
翔は寄り道をした転校初日に母を自殺で亡くしており、自らの選択に恐怖を抱くようになっていました。
自分が真っ直ぐ帰っていたら母は死ななかったのではないかという思いに囚われているのです。
結果彼も、手紙によれば、その年の冬に自ら死を選択することになってしまったのです。
彼が死んでしまって、あのときこう言っていたら、ああしていたら、という後悔が菜穂にはたくさん溢れたのでしょうね。
その後悔をしないように、出来れば未来を作り変えて、10年後にも翔がいるように、26歳の菜穂は願っているのでしょう。
手紙に書いてある後悔を、菜穂は奮闘して一つずつ消して行きます。
一つの行動に対して最後菜穂も翔も笑って終わるので、行動するまではヒヤヒヤするものの、最後は一緒になって笑うことが出来る温かい物語です。
これならきっと明るい未来になる、きっと翔は死なない、と思いたいのですが、作中で菜穂も気にしているように三つ、手紙の通りに出来なかったことがあるんです。
一つは、翔のお母さんが亡くなる日に寄り道に誘わないでほしいと書いてあったのに、誘ったこと。
二つ目は、先輩と付き合うのを止めてほしいと書いてあったのに、止められなかったこと。
三つめは、上二つと違って意図的に手紙の通りにしなかったのですが、体育祭のリレー代表を外してほしいと書いてあったのに、リレー代表にしたこと。
この三つが今後もしかしたら影響してくるんじゃないだろうか…
ただでさえ、手紙の通りに行動したことで、手紙とは違う出来事が起こり始めていて何だか不安だと言うのに、3巻の最後は友人全員で「みんなで翔を救おう」と円陣組んで明るく終わっています。
期待と不安が入り混じってソワソワしてしまう楽しい漫画でした。
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